kakinokosyobo’s diary

絵本の紹介です

憧れの書店開店のお話し「新聞記者、本屋になる」

たまたま週一で届けてもらっている、野菜宅配の段ボール箱に敷かれていた、新聞紙に書評として紹介されていて読んでみたのがこちら

新聞記者、本屋になる (光文社新書)

「新聞記者、本屋になる」 落合博 著 光文社(光文社新書)

 

「読書家でなくとも本屋は始められる」と本書では書いてあるが、綿密な情報集め、多彩な人脈、その体力、そして資金力も、さすがに新聞記者だけあって、ただのシロウトではない、と舌を巻く内容でした。本屋さんを始めるにあたり、参考文献も載せているように、たくさんの書籍も読み、研究し、そして何が自分にあっているのがを吟味して(著者は吟味などとは表現せずに面倒なことはしたくないからという言い方をしていたが)いるのがよく伝わる。

 

p96「ベストセラーは置かない」の章に

『〜それよりも、知らなかった本と出会える本屋でありたい。思いがけない出会いのある本屋。つまり出会い系の本屋。本に詳しい知り合いの言葉を借りるならは「出合い頭の衝突」をどれだけ引き起こすことができるか。』とあり、私自身も本屋さんにいく理由の一つに、知らない本との出会いがあるので、よく納得した。

 

多分どの書店も、ベストセラーも置きつつ、知らない本を紹介したいという思いは少なくともあるだろう、しかしどこにでもある本屋ではアマゾンを始めとするネットには太刀打ちできず、また大きい書店であればあるほど、選書が難しいところもあるのだろう。

しかし著者のように一人で商いしている本屋で、かつ自分の考えをしっかり持っていれば、例えば著書に書かれているような、他の本屋にはない『個性的な版元の良書』を置いてあれば、ただ本屋に行こうではなく、この本屋に行けば面白そうな本があるかもしれないから行こうとなり、そしてこの本屋でなければならないとなる。もし私が本屋をすることになったとしたら、やはり『この本屋でないと』と思ってもらう店づくりをしたい。(本屋に限らずどんな仕事でもそうだが)

 

またp122に「アマゾンなくして僕の店はない。」と書いてあり、アマゾンを敵ではなく、頼りにし、なくてはならないものと書いてあるのも興味深く、私自身が公共図書館で働いていたときの記憶が蘇った。

 

著者はアマゾンのリコメンド機能を重宝しているとあったが、私が働いていたとき助けてもらったのは、アマゾンの画像付き書籍の情報である。利用者からの本の問い合わせで、タイトルや著者がわかれば図書館の検索システムでも判明するのだか、なんとなくのタイトル、本の表紙の色やイラストなど(主に絵本)で問い合わせがあると、やはりアマゾンが便利で使っていた。例えば、クリスマスの絵本で、青い感じの表紙で、大きいサイズなどと問い合わせがあると、アマゾンで「クリスマス 絵本」と検索し、画像で青っぽいものを探して、利用者にも確認してもらい、あればそこから図書館に所蔵してあるか図書館の検索で探していた。

アマゾンの強みはやはり画像付きであることと著者のいうようにリコメンド機能だ。画像付き書籍検索機能のあるサイトはなかなか見当たらないし、似ている書籍検索機能のあるサイトもまずないのではないだろうか。アマゾンはネット通販サイトの域を超えて、インフラに近い。

 

またこの本を読み、励みになったのが、p164ライティングのレッスンの章、

「読むことと書くことはつながっています。双子のような関係かもしれません。」

「一度うまく書けたからとして次もうまく書ける保証はない、うまく書けなくてもあきらめることなく、とにかく書き続けるしかない。(一部要約)」

 

私もこのブログ記事を2022年4月までに50記事書くのを目標にしているので、書き続ける。(今現在からだと、ざっと一週間で2記事書くことになる)