kakinokosyobo’s diary

絵本の紹介です

今さら黒四ダムに惹かれる1

もうプロジェクトXが放送終了し、何年たつのでしょう。(調べたところ17年前でした)番組のテーマ曲、中島みゆきの歌う地上の星も大ヒットし、一代ブームとなりました。

 

番組の内容とぴたりと合う歌をつくり歌う中島みゆきは天才だなと思いました。あの音楽なしにこの番組は成り立ちません。

 

 

しかし当時の私は、どれだけ番組を見たのか全く覚えておらず、ネットで番組放送一覧を見てもピンとこず。あまり見てもいなかったのかもしれません。

 

紅白歌合戦中島みゆきさんが歌を披露した場所が黒部、プロジェクトXといえば、黒四ダムというくらい象徴的な、たまたま図書館で借りたDVDで、プロジェクトXシリーズ黒四ダムをみました。

 

プロジェクトX 挑戦者たち シリーズ黒四ダム 「秘境へのトンネル 地底の戦士たち」「絶壁に立つ巨大ダム 1千万人の激闘」 [DVD]

 

子育て中の身なので、なかなか腰を据えて映像を観ることが出来ないため、軽く何か家事でもしながら観る程度でいたのですが、すっかり映像に釘付けになりました。

 

善し悪しの問題ではありませんね。命懸けで仕事に挑む姿にただただ感動しました。今ならこんな環境で働くことは誰も出来ないでしょうし、社会的にも出来ません。

 

戦後の日本、ブラジル移民に行かなくては食べていくことが出来ない人がまだおり、ブラジルにいくなら黒部で働こうとした青年が、やはり黒四ダム建設に携り、その過酷さに、やはりブラジルに行った方がよかっただろうかと、考えて先輩技師に相談し、ここで諦めるならブラジルに行っても成功しないと言われ思いとどまったと番組内で話しており、その大変さがひしひしと黒部の冬の吹雪の映像とともに伝わってきました。

 

第一話「秘境へのトンネル 地底の戦士たち」ではダム建設のための資材運搬のため、大町トンネルを掘削する。その現場指揮をする親方、笹島信義さんの苦悩と希望、作業員達に死ととなりあわせのトンネル掘削をさせる責任感と、一刻も早くトンネルを貫通させ、ダム工事への道をつくらなければならない責任感との狭間の苦しみが描かれていました。

温かな部屋でぬくぬくと映像として見ている私には想像をもできない、壮絶な体験です。

 

トンネルが貫通し、仲間とともに酒樽をたたき、満面の笑顔でお酒を呑む笹島さんの顔が目に焼きつきました。

 

ともに作業に携わった作業員の名簿を見ながらお金では買えない大切なものと話す笹島さん。

 

なぜこんなに感動し、心を打つのだろうか、と自問自答しました。

トンネルというモノを作るという、思いそのものがモノを超え、死への恐怖を超えて、何百人もの一つの思いと行動が一致し、乗り越えていくことに感動するのだろうか。

 

そして今はこの様な壮絶な過去の上に成り立っているということを改めて感じる機会になりました。過去の苦労を忘れてはならないと思います。